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暁を手向けに:後編 【メサイア トワイライト 黄昏の荒野ネタバレ感想】

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まさかの感想文が前後編という事態に…。

いやほんとすいません…あと感想文へのご感想などを最近ツイッターでいただくのですが、恐縮しつつも「わかる〜〜」と言ってもらえると、ほんと感情のシェアができてハチャメチャに嬉しいです。

他にも私の感想を読んで「私はそうじゃなくて、こう思った」という話を聞けるのもほんと楽しくて仕方ないんですよね。なんかそういうの凄いメサイアっぽい~~って一人でエモくなっています!(メサイアとは)

ありがとうございます!

どこまで楽しませてくれるんだ、メサイアコンテンツ!!大好き!

 

というわけで、「メサイア 黄昏の荒野」感想:前編で書いた「サリュート」と「スーク」以外の書ききれなかった部分を後編にまとめました!

よろしければお付き合いください😌

 

 

前編はコチラ▼

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CAUTION!

この記事は、「MESSIAH トワイライト 黄昏の荒野」を観劇したオタクがネタバレに配慮せず書いています。

いち個人が「こんなふうに思ったんだよね〜」と吐露するように書いている、あくまで感想文です。こうだったからこうかなって思った程度のやつなので、辻褄合わせや考察等の凄いやつではないです。基本的には感情のみで書いていますので、ご了承ください。

ちなみに目次からネタバレです。

 

 

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暁を手向けに:前編 【メサイア トワイライト 黄昏の荒野ネタバレ感想】

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いうて、「スピンオフ」だと思うじゃないですか。外伝というか、番外編というか。刻シリーズを本筋とするなら、それとは別の、いわばサイドストーリーだと思うじゃないですか。

ところがやっぱり甘かったなぁと思ったんですよね。ほんと甘かった。
間違いなくメサイアだった。

っていうかほんと、スピンオフって「明日に向かって乗れ」みたいなやつのことやからな!!!!!!!!!

おかげで、観終わってすぐの私がこちら。

 

そしてネタバレに極限まで配慮した感想がこちら。

 

ほんま、お察しください。

そういうわけで、ネタバレしかない感想を1回目の観劇後から書き始めて、大千秋楽後も消化しきれないままポチポチしています。まだまだ謎だらけだったり、記憶違いあるかもしれないんですが、アウトプットしないと死んでしまう。おなかいたい。

そういう、ありったけの感想を込めた記事になっております。

ではどうぞ。

(以下は目次からすべてネタバレです)

 

 

CAUTION!

この記事は、「MESSIAH トワイライト 黄昏の荒野」を観劇したオタクがネタバレに配慮せず書いています。

いち個人が「こんなふうに思ったんだよね〜」と吐露するように書いている、あくまで感想文です。こうだったからこうかなって思った程度のやつなので、辻褄合わせや考察等の凄いやつではないです。基本的には感情のみで書いていますので、ご了承ください。

ちなみに目次からネタバレです。

 

 

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あなたがいるから夜も眠れる【メサイア-幻夜乃刻-ネタバレ感想】

この記事は、映画【メサイア-幻夜乃刻-】を鑑賞したオタクが書いています。
幻夜を含むメサイアシリーズのネタバレが山程含まれますので、まだ観ていない方はご注意ください。

 

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当初、この記事のタイトルを「ダイヤモンドの煌めきを観た」として、下書きに保存していました。確か、1回目と2回目の鑑賞の間に新規作成したんだったかな……。

その時は、1度目に観た幻夜の衝撃に唖然としたまま、とにかく思い出せたのが加々美の涙で、それが大スクリーンにめちゃくちゃ美しかったもんだから「良かったね……良かったね……」って、もはや何に対してなのか分からない大雑把な気持ちとともに、
そんなタイトルを付けたんだったと思います。

実際、観終わった日の自分の感想ツイートやLINEを見返してみたら、「良かった……」だけで、あとは加々美の目が綺麗だったことしか言ってませんてした。笑う。

いやでもあれは美しすぎた……。

 

あとはなんか呆然としたまま、感想も書けずに今日まできてしまった感じです。

とはいえ、その後も何回か見て、なんかようやく感想をアウトプットできるぐらいには「メサイア-幻夜乃刻-」が私の中で腑に落ちてきたので、覚書の意味も込めてこれを書き始めました。

どれぐらいの文量になるのか分からないんですが、今の感想を置いとこうと思います。(多分、今後見るたびに変わると思うし……)

では、どうぞ。

 

 

それほどでもない作品

初日に観終わって、そのあとに思ったのは「それほどでもないな」でした。
ちなみにこの比較対象は、これまでのメサイア作品群です。

たとえば、この「それほどでもないな」というのは、めちゃくちゃ恐れていた加々美の死や、それに類する出来事が起こったらどうしよう、といった嫌な想像が結局は大団円で終わったので拍子抜けだったのもあります。あとは「照日の杜」や「第三組織(テロ組織)」などが出てこないので割とメサイアにしては大人しいなって印象だったし、たぶんその辺ひっくるめて「そうでもないな」って思いました。

 

当初は。

 

 前述もしたんですけど、「それほどでもないなー」の他には本当に「良かったな」しか感想が浮かばなかったんですよね。

ただ、3回目ぐらいからは、呆然とした心地がようやく去って、代わりになぜだかボロボロ泣いてました。

別に誰も死なないし(ヤマシロ死んでるけど)、悲劇は起きたけど(ヤマシロに)加々美にも有賀にもこれといってダメージないし、と思うのに、なんでか泣いちゃうんですよね。

しかも、暁や月詠と比べて、誰が死んで悲しい、みたいな明確な理由が見当たらないもんだから、「なんか知らんけど、エモさで泣く」とか零していました。

 

そんで4回目あたりから「おかしいな」って気付き始めて、
以降ようやく思い当たったんですよね。

 

こんなに感想をアウトプットできない作品っておかしくない??

 

そこから、なんでこんなに泣くんだ?の理由探しみたいなのも兼ねて幻夜を観るようになって、昨日ぐらいに漸くなんか感想らしきものが出るようになりました。

そして今は「良かったな」の代わりにこう思っています。

 

「幻夜がこわい」と「すっごく悲しい」

この2つです、私の幻夜の感想は。

 

いやだって、ひどいよ。
あんなの、なんてものを観せられたんだと今は思います。

ひどすぎる。

脚本に毛利さん、脚本協力に西森さんが入られていることを、今はヒシヒシと感じます。月詠のときも大概「ひどいひどい」と思っていたけど、今はもっと思ってしまいます。

 

そうなんだよなぁ、これがメサイアなんだなぁ、って改めて思いました。

以下ではもう少し噛み砕いて感想書きたいと思います。

 

 

 

 

加々美いつきの悪夢のはなし

前作:メサイア-月詠乃刻-の冒頭に加々美の独白があります。

南トランで一体どんな任務を受けて、何をしたらあんなに血を吐くみたいな独白出てくるんだろうと思いながら泣いてたんですけど、幻夜で答えが出ましたね。

確かにこれは月詠の続きなんだと思い出させる動機でした。

そして、一番の疑問だった告知ポスターのテキスト。

 

「これが夢なら、醒めないでほしい」

 

これなんですけど、これの意味がずっとわかりませんでした。

え、みんなすぐ分かったのかな……。いやまぁ正解とかないので、以下はただの私の解釈なんですけれども。

 

このテキストを告知で見たときには、もっと優しい意味だと思ってました。甘かったなぁ。
そして幻夜本編を劇場で見てからは、夢っておそらく悪夢のことだろうけど、それって「醒めないでほしい夢か???」ってずっと思ってました。

でもその後に有賀が言うセリフを忘れてた ……。

「俺もいる」と言い切った有賀。

彼もその悪夢(ナイトメア)の中にいるから、加々美はそこにいたいって言うのか……って思いました。

 

いや、ほんとマジでそれってどうなの????

 

有賀と加々美というメサイアにとっては、きっとようやく辿り着いたアンサーなんだろうなと思います。でも、見ている私にとっては、あまりに希望がない……。そんな悲しいことある……?

最初見たときは、「お前がいるから」って笑った加々美に、すーーーーーーっごくホッとしたんです。「よかったね〜〜〜〜〜」ってなりました。いやほんと、最高のエンディングだと思った。それはまぁ変わらないんだけど。変わらないけど、同時にとてつもなく悲しい。悲しすぎる。

たとえ命が尽きると分かっていても、メサイアと共にそのもの自身が悪夢と成り果てて、信じる正義のもと、銃とナイフで真向かうっていう……その決意がすっごく悲しい。

誰も苦しまない、悲しまない世の中に、二人もちゃんとカウントしてほしい。

いや本人たちは別に、それが幸せだと言うのかもしれないけど、こっちはそんなこと知ったこっちゃねえし、当たり前の幸せを享受してほしい……。そう思ってしまう……。

そう思ってしまうコチラ側なんかお構いなしに置き去りにして、すっかり悪夢に身をやつしていて、彼らはそれでいいと笑っていて、でもでもだって、という堂々巡りです。

有賀と加々美のメサイアだけを見ていると、本当に心の底から「良かったね」って思う。思ってたんだけど、どうしてもヤマシロの存在が幻夜において、観ているコチラがこんなにも苦しむ要因になっていて、なんかもうだめです。

直前に息を引き取ったヤマシロ(ナイトメア)が、当たり前の幸せを望んで、結局叶えられなかったのを見せられてしまっているので……。

 いやでも多分、彼らにとってというか、加々美にとっての望みは悪夢の中でも、有賀という存在が彼の中にある限り叶ってしまうので、望んだ幸せはあるのだとは思うけどでもでもだって。

無限ループです。

見れば見るほど、悲しい気持ちになってしまう幻夜……。なに……。ほんと……。

ヤマシロを撃つとき目を逸らしてしまうような、人として、何の違和感もない普通の反応をするんですよね、特別殺人権を行使して大統領をも暗殺したスパイであるはずの加々美は。でもそんな彼も既に、今しがた殺したばかりのナイトメアと同じところに堕ちていて、これからもその道を征くと決めてしまっている希望のなさに泣いてしまうし、そんな悪夢ですら有賀と一緒ならと笑って「醒めないでほしい」と願ってしまう彼が、わたしはかなしい……。

そんな生き方をしていくんですね、と思うと心から寂しく思ってしまう。

加々美の死を恐れていた鑑賞前よりも、もっとなんか、遣る瀬無い気持ちがずっとあって、幻夜を観るたびに落ち込んでしまうんですよね……。勘弁して……。

たまにでいいから、二人の無事を教えてほしいなって思いました。お願いします……。

 

 

 

問いかけるサリュートのはなし

わたし、サリュートって結構寡黙というのか、必要なこと意外は無駄口はきかないし、割と自分の中で消化して行動する男だと思ってたんですよね。

特に悠久からは、有賀との戦闘を楽しんでた彼が少しだけ遠ざかった気もしていました。

そんな彼なんですけど、今回はなんだか雄弁です。

といっても、自分の思考を語るとか、意見するというのではなく、どういうわけか必要以上に加々美につっかかってるように思えました。

中でも印象的なのが、

「罪の意識でも感じてるの?」

「善悪を判断できる立場にない」 

「君の信じる正義の旗のもと、何人が死んだ?」

 (若干記憶違いあるかもですが)この辺の台詞です。

更にサリュートは、アタッシュケースの部屋で加々美を「特別殺人権を持ったスパイ」と評します。

 これらそのものは、全部サリュートから加々美に向けたセリフでしかないんですけど、この台詞を加々美に突きつけた部屋は「罪を思い出す部屋」なんですよね。

すっげーやなかんじだなー!!!って思いました。

しかもなんでか、加々美単独の部屋ってないんだよなぁ、不思議。

加々美とサリュートの罪を思い出させる部屋か、サリュートが罪を告白する部屋しかないんですよね。なんでなの……。

そして、いずれの部屋でも動揺するのは加々美で、追及するのはサリュートなんですよね。

そしていざ、加々美と分かれて脱出直後、駆けつけた雛森と小暮に「加々美はもうここにはいない」って割と優しく教えてくれるし。(でも一応中を探しに行く、用心深い雛森好き)

さらにさらに、フォークス機関を「あんな悪魔の所業」と吐き捨てて、挙げ句にスークを前に「反旗」を掲げる宣言とか。

初めは、加々美にぶつけた言葉と比べて、スークと合流してからのサリュートの台詞はなんとも対照的だしブレブレな気がしてたんですけど、アレ全部自分へのブーメランというか、自問自答というか…。

自虐だったのかなぁって思うと、わたしは黄昏を越えられる気がしません。

ヤマシロが何者なのかを問いかけた相手は確かに加々美ですけど、加々美の素性を答えたのがサリュートというのも憎いし、「特別殺人権を持ったスパイ」というのも、それってサリュートのことでもあるよな、とすら勘ぐってしまう。

「公安」でも「日本のスパイ」でも何でもいいじゃん…。なんでわざわざその言葉を選ぶんだよって感じです。

わたしは黄昏を越えられる気がしません……。(2回目

 

というか今回、やたらと「特別殺人権」の話が出てくる気がするんですけど、それもなんだかなーという感じです。

権利とは能動的に行使するものであるというのも、「覚悟はしてたはずなんだけどなぁ」という加々美の独白を伴って、なんだかとっても生臭く感じてしまいました。

善悪を判断する立場にはないし、正義と信じるもののために戦うしかない彼らなんですけど、結局その銃口を突きつけて、引き金を引くのは、彼らの意思であると。そのことを改めて、重く考えさせられる場面でした。

 

あと余談なんですけど、幻夜ではスークがとても雄弁だなって思いました。

サリュートを探すことに真剣というか、相棒というほどでは無いのかもしれないけど、サリュートを一人の人間として受け止める下地ができている男だなと思ったので、なんとか黄昏を越えたいです……。たのむ、スーク……。

 

 

 

 

ナイトメアだった男のはなし

幻夜の感想を書く上で、やっぱり外せないのがヤマシロなんですよね……。

なんだろうあの人、とっってもしんどい。

 

「皆殺しが条件じゃないの?」というサリュートに、「 その男の心はもう死んだ」って自虐するヤマシロ……。いやしんどすぎる。遅効性の毒かよ。

園との関係性とか、どういう経緯で有賀を操って照日壊滅を手助けしたのかとか、まだ謎の残る男ではあったんですけど、ナイトメアという存在感は秀逸でした。

父に裏切られて弟に殺されそうになったときには「だが生きてた」って、さらっと流してる程度なのに、そんな男が死を望むほどの心の痛みに耐えながら、復讐を誓う傍らで照日の杜の計画を潰すために、復讐すべき男(加々美)に、一つの手段とはいえ形としては間違いなく「手助け」するのは如何程の心地なのかと……。
でも有賀を通して見た「加々美いつき」が復讐相手だったからこそ、加々美をただ殺すのではなく、娘の復讐と同じだけ望んだのかもしれない「自身の死」を託して、あんなゲームを企てたりしたんだろうかと思ったりしました。

そして、娘の死で取り戻した心の痛みこそが切っ掛けで、死を望むようになったのだろうなぁと思うと、とんでもなく切なくなってしまいます。

それまで、たとえ親に裏切られて弟に殺されかかっても死のうとは思わなかったんだもんなぁ。

しかも、唯一の幸せだった娘を殺されて、痛みを取り戻した心を抱えたまま、もう幸せになることが絶対にない、娘がいない世界で生き続けるには、気力もなかったのかもしれないなって。

もうなんか、彼はナイトメア(悪夢)を自称していますが、ただ娘を亡くして悲しみに暮れる男にしか見えない……。

せつない……。

そして切ないといえば、ヤマシロという男もまたメサイア作品特有の二律背反を背負っているのかもなぁって思いました。

「復讐する」、「死にたい」、っていうこの2つもそうなんだろうなぁって思うんですけど、もう一つは加々美に「復讐するか否か」というか……。

最初の部屋で自害しようとしたり、赤ちゃん人形の部屋でおそらくわざと返り討ちにあったり、割と離脱しようとする素振りがみえるというか。

特に一回目の自害未遂は、そのままのシナリオなら自害して離脱だったのではないかなぁと思いました。でも、加々美が引き止め、「仇をとってやる」と目を見て言うもんだから、躊躇したように見えたんですよね。しかもその時のヤマシロの目がなんともいえないんだなあ……。

そして、加々美とサリュートに続いて部屋を出るヤマシロの背中のシーンが大好きなんですよね、あのゆっくりと歩きだして、最後になにか決意したみたいに出ていくの。

初めて見た時には、ただ「巻き込まれた一般人」が「勇気を奮い立たせて、何者か分からない正体不明の男二人に着いていく」様に見えたんですけどね…。二回目からは違ったんだなって…。

とはいえ、加々美は「特等席」をそのまま間近で監視するみたいなこと言ってたんで、私の勝手な解釈ではあるんですけど。そういう予定ではなかったけど、加々美という男を間近で見極めようとしたのだろうか、それが最初の部屋でのイレギュラーだったのかなって思いました。そして迷ったまま、迷い尽くして身を削って、弾切れの最後まで立っていた男だったなぁ、と。そのあと、銃弾のでなくなった拳銃を投げ出して膝を折る姿は、「よくここまで一人できたな」と思えるほどの、なんだか込み上げるものがありました。

あと最初の部屋でいえば、「仇をとってやる」って復讐したい相手に言われる心地は、ほんとどんなもんなのかな……恐ろしいな……なんてシナリオなんだ……。こわ。

何はともあれ、ヤマシロさんにはルーシーと共に安らかに眠ってほしいです。(出てきてもいいけど)

「悪に手を染めた」人が幸せになんかなれないと小暮が言ってましたけど、ヤマシロの結末を思うと、完全悪ってなんだろうな、と考えてしまいますよね…。そして、それらはすべて、サクラの一人ひとりにも言えることだろうと思うので、たのむ勘弁して~とお手上げ状態です。

彼らが信じて行動する正義は、他人にとっての悪かもしれないというのを、ヤマシロという男を通してまざまざと見せつけられた気がしました。「娘はどうなる、俺の悲しみは」という慟哭は、ほんとにもうなんか…。めっちゃ泣いた…。なるほど、これが悪夢か…。

 

 

フィクションの境界

この幻夜って映画なんですけど、かつてないぐらい静かだなって思いました。物理的な印象として。

メサイアって、劇中で繰り広げられるアクションシーンもすごく魅力的で、どの舞台でも割とコンスタントにアクションシーンが入るじゃないですか。

それに比べて、幻夜って序盤と最後以外はあんまりアクションないんですよね。

ちょっと大きな音を出すシーンとしては、黒坂が拉致されるとことか、扉を開ける音とか、あとは加々美とヤマシロが揉み合うとことか?ぐらいじゃないかなって思います。

それが結構不思議だったんですよね。

 

そしてもう一つ、不思議というか、ちょこちょこ感じる違和感というか、幻夜でとても印象的だったのが、キャラクターたちの「人間臭さ」です。

いや、彼らもべつにエイリアンじゃないんだから当たり前なんですけど。

でも「特別殺人権を与えられて活動するスパイ」とか「北方組織で訓練されたスパイ」とか、それこそ「クローン」とか「人体実験の末に痛みを感じなくなった挙げ句に致命傷を負いながらも死ねなかった元暗殺者」とか、とんでもないフィクションの集合体じゃないですか、メサイア。

舞台は現代っぽいところだけど、よくよく考えるとぶっ飛んでるし、銃弾受けまくって「しなねーのかよ!」みたいなとこあるじゃないですか。

だからメサイアってやっぱりフィクションなんだよなぁって思うんですけど、なのに彼らの感情が垣間見えて、その感情は私達が日常的にも持ってるものだから物凄く共感できるんですよね…。

フィクションのなかに渦巻く感情が思いっきり現実感を伴ってぶつかってくるから、頭殴られたみたいな衝撃と激情みたいなものでいつも泣いちゃうというか。

そこがメサイアの魅力の一つだなあっていつも思っています。

そして幻夜もやっぱりそういうところがあって、例えばヤマシロの「娘を亡くして悲しい、復讐したい」って気持ちも、さもありなんって思うし、しんどいなぁって泣いてしまいます。

ただ、幻夜で観せられたもう一つのメサイアの魅力というのか。

なんか「おお…」って思ったのが皆の「人間臭さ」でした。

他作品だとギャグシーンとかで見えたりはするんですけど、幻夜はふとした時にすごくそれが多かった気がします。

例えば、

「Jeepで助手席に座るサリュート(加々美だけを後部座席へ置いてる)」
「最初の部屋を出る時、最後の部屋に入る時に、サリュートへ背中を見せる加々美」
「子供の人体実験画像を見て目を伏せる小暮」
「加々美の居場所を突き止めて、すぐに駆け出そうとした雛森」

などなど…。

一つ一つはほんのワンシーンで何気ないものなんですけど、バックグラウンドを知っていると納得しつつ、でもやっぱり「エージェント」らしくない人間臭さというか。

加々美とサリュートの間にある、信頼とはまた違う関係性とか、人が積み重ねてきたものだなぁって思うし、間違いなく悠久からの続きだなって思えました。

小暮も、冒頭の屋上で倒した敵を足蹴にしてたのと同一人物とは思えないぐらいだけど、彼の「僕」の部分が見えて凄い良かった。

雛森も、悠久だけなら一番に駆け出すなんて意外だなって思うだろうけど、月詠で「聞いてくれ」って園に向かって取り乱した彼ならそうするだろうと思えたし。

どれもこれも、彼らの経験が人間性にあらわれているシーンですごく良いなぁって思ったんですよね。

そして同じだけ、次作がしんどいなぁと思いました。

幻夜は静かなシーンが多くて、ドンパチが多い作品よりも現実味が強くてより一層の没入感があるというか、そういう彼らの人間臭いところが一際見えてしまった気がします。彼らがサクラやスパイと呼ばれるものである前に一人の人間だってことをより叩き込まれたって感じ…。

フィクションだけど、描いている感情は本物なんだよ、と突きつけるというか。

これもまた、ひっっっどいなぁ!!って思ったポイントでした。

 

 

あと雛森と小暮については今回ほんとめちゃくちゃいいな!!って思いました。

屋上で戦うシーンも、雛森が遠距離射撃する際に敵を散らす小暮とか、死角へ両サイドから追い詰めていって仕留めるコンビネーションとか。

それから、人体実験映像にフラッシュバックおこす小暮の背中をぽんぽんってする雛森とか。自分だったら切り捨てられるという小暮をなんとも言えず見送る雛森とか。

いや「良さ詰まりすぎやろ」ってめっちゃ思いました。

スークとサリュートもそうだったけど、この二人も今後がめちゃくちゃ楽しみです。どうか幸あれ~~~

 

 

 

 

 「良かった」けど「かなしい」メサイア

総括して、幻夜はほんと見た当初は「良かったな」ってそれだけを思った作品でした。舞台挨拶で井澤さんが「いろいろ考察とかもされると思うけど、極論、良かったなと思ってもらえる作品であれば嬉しい」みたいなことを仰ってて、まさにそれな〜と納得してたんですけど、この有様です。

確かによかった、めちゃくちゃ良かった。

有賀と加々美のメサイアが、一歩踏み込んだところで信頼関係を築いて、お互いを更に深いところで拠り所にできたのも良かった。

有賀が登場して、「お前と一緒なら」と立ち上がる加々美は最高にしびれた。めちゃくちゃ熱かった。

ヤマシロに撃たれた後、倒れ込んだ状態で有賀と揉み合うヤマシロに一発食らわせる加々美も最高だったし、有賀とヤマシロの両者が加々美に目を向けて、咄嗟にトドメをさしに行こうとするヤマシロへ先に意識を戻して食らいつく有賀もめちゃくちゃ良かった。

あそこで一切、二人が会話を交わさないのが何よりも良かった。

 

良かったけど、同時にすっごい悲しいなぁ。

遣る瀬無い。

二人に幸せがありますように、と軽率に思えないほどに、メサイア同士で相互に完結しあっているので、なんだかなぁとも思ってしまいました。

 

 

 

 

「あながたいるから夜も眠れる」

タイトルにも設定したこのセリフなんですけど。 

これから「ミッション・インポッシブル フォールアウト」を観る人は飛ばしてくださいね、ネタバレなので。

 

 

このセリフは、前述のミッション・インポッシブル フォールアウトのラストシーンに出てくるセリフです。

幻夜を見ていて、私はどうにも毎回このセリフを思い出してしまいます。

このセリフは、映画のラストシーンで、主人公であるイーサンの元奥さんが彼に言うセリフです。

この映画では、これまでのヒーロー然としていた彼の苦悩も描かれます。

元奥さんとは、イーサンが自身の危険に巻き込まないために別れていて、彼女を危険に晒したことを別れたあとも悔やみ続けている彼。

もはや伝説級のエージェントである彼も、やはり人間で、その強さも諸刃のものであると劇中で描かれる一方、やっぱり今回も飛び抜けた能力で任務を完遂して多くの命を救います。

もちろん称賛こそされて然るべきなんですが、ボロボロの状態で運ばれた救急ベッドの上で、元奥さんとまみえたイーサンは開口一番にただ謝るんですね。

そんなイーサンに元奥さんが伝えるのが、前述のセリフです。

 

「あなたが救った。あなたがいるから、夜も眠れる」

 

このセリフに、イーサンは子供みたいにホッとしたように笑います。

それがとても印象深いんですけど、まさにこのセリフこそ、幻夜を見終えて、良かったなと思う半面、悲しすぎるとも思う私が何より「加々美いつき」に伝えたいなと思うセリフでもありました。

加々美が南トランの大統領を暗殺したおかげで、ヤマシロの娘を含めた子供たちは亡くなってしまったんですけど、同時に救われた命もたくさんあるはずなんですよね。
そんな二律背反を背負って「できることは少ない」って有賀と認識し合いながらも、できることをやるだけと、普通の人にはできないことを生業にするサクラの生き様が突き刺さる今回の映画 メサイア-幻夜乃刻-。

それを見終えた今、「あなたのおかげで、夜も眠れる」と、加々美のおかげでもう来なかったかもしれない夜を迎えられた人もきっといるんだと、なんかそんなことを伝えたいな、と。

そんなことを思ったりしました。

 

 

映画 メサイア-幻夜乃刻-は、なんというか、衝撃的というよりは、少しずつ違和感を積み重ねた末に異様な光景を見せつけるみたいな、なんともいえず恐ろしい作品だなと思います。

そしてやっぱり、そういう当たり前が当たり前じゃないかもしれない、という現実と非現実の隙間をみせつけてくる、稀有で魅力的な作品だなとも改めて思いました。

次作には「メサイアトワイライト 黄昏の荒野」も控えており、こちらもとっても楽しみですが、同時に怖いな〜〜とも思ってしまいます。

まぁ行くんですけど。楽しみです……チケットはまだ購入できるみたいなので、
まだの人は是非……。

messiah-project.com

 

 

そしてこの記事を書いているうちにすっかり日付も変わってGYAOでは配信も始まったったようです!GYAOくんありがとう!
私も早速幻夜を見直そうかなと思います。

刻シリーズ一挙に配信してるとのことなので是非〜〜〜

 

刻シリーズあたりの布教記事はこちら

 

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ちなみにこの幻夜乃刻は、大阪だとまだまだ公開中です。

12月1日〜7日@シネ・ヌーヴォ

http://www.cinenouveau.com/index.html

 

1月12日〜?@シネ・ヌーヴォ

http://www.cinenouveau.com/index.html

 

 

 

そんな、幻夜感想でした。

それではまた。