みんな~~~~!
メサイア:月詠乃刻をまだ観てないみんな~~~~~!!!
この記事は、メサイア新作舞台「月詠乃刻」を観た感想文なので、ネタバレを避けたい人は「ブラウザバックで戻るか、ホームボタンで離脱してね!」っていうやつだよ。
気をつけてくれよな!
さて、ついにメサイア舞台をリアルタイムで観劇するに至りました。
(※今回はライブビューイング観賞、生舞台は大阪公演27日になります)
前記事は思った以上の方に読んで頂けたようでとても驚いています。月詠乃刻の感想へ至る前にこの場を借りてまずは御礼を。
熱量だけをぶつけた記事だったのでお恥ずかしい限りではありますが、読んで頂けた皆様ありがとうございました。たくさんの方に読んで頂けたおかげで、書いてよかったということがいくつかありました。
そのうちの1つなんですが、
「あれ、この人、鋼ノ章観たほうがよくない?」
というお声をいくつか頂きまして、
なんと前記事を読んでいただいた方のうち、お一方から鋼ノ章のDVDをお借りすることになりました!!!
えええ~~こんなことってある!??
未だに信じられない気持ちでいっぱいですが、これが現実らしく、しかも私はかなりの軽率女なので(前記事参照)、お言葉に甘えて本当にお借りできることになりました。
ほんっっっっっっっとうに有難うございます!!!!ヤッターーーー!!!!でもお願い再販してーーー!!
いやほんと、仕事ほったらかして書いてよかったなぁ・・・
というわけで、また鋼ノ章を観たらいろいろと書ければなぁと思います。
というのも、今回の月詠ってやっぱり鋼観てる人と観てない人でかなり印象違うのでは…っていうのが初見の感想だからです。
ただ、前記事でも書いたとおり、「観てないから面白くない」っていうのまっっっっったくないのがメサイアのすごいところ。
それは今回も健在だし、やっぱりメサイアはいいぞ、と声を大にして言いたいのは変わりません。
でも、他作品を観てから観ると「あ、これって立方体じゃなくて多面体なんだ」と気付くような感覚とでもいうんでしょうか…。まさにスルメ的な面白さがあって、永遠にしゃぶりながら「これもまたメサイア…」と末恐ろしい感覚にも陥らされるわけです。
そんなわけで、鋼を観る前の感想は今しか書けないよなぁ、とメンタルズタズタな中でなんとか書いてみようと一念発起したのがこの記事です。
※ここまでのテンションがただの空回りっていうのがわかるぐらいしょっぱいです
ではいよいよ、いってみましょう~。
(以下ネタバレの宝石箱)
私にとっての2018年4月20日、そして22日
いきなりすいません。
「え? 初見ライビュなのに20日ってどういうこと?」ってなりますよね。ちょっと長くなっちゃんですけど、読んでもらえると嬉しいです。
というのも、私にとってのメサイア:月詠乃刻 初見は、どうしても20日ありきになってしまいました。
何しろ2018年4月20日未明に飛び込んできた世界的トップニュースはあまりにも、私の人生においてといっても過言でないくらい衝撃的だったからです。
そのニュースというのは、「Avicii 死去」。
享年28歳の若すぎる死でした。
そのニュースを見てまず思ったのは「嘘でしょ」ということと「嫌だ」ということです。本当に、彼の冥福を祈らなければならない場面で、この2つしか思い浮かびませんでした。
彼の音楽はクラブ・ミュージックやEDMといったジャンルだけに留まることなく、数多くの人の心にその音楽を響き渡らせ、同時にAviciiという名をまざまざと刻みつけました。
時にはラジオでもヘビロテされるほどの彼の音楽に、魅了され、救われた人はきっと少なくないんじゃないかなぁ。
かくいう私も、彼の音楽に救われた一人です。
彼の描き出す世界観はいつも独特で、「ほんとにこれがクラブ・ミュージックなの?」というぐらい人生や愛や死生観について語りかけてきます。よくある一夜限りの、とか、退廃的なものではなく、なんというかいつも生々しいんです。
「いまを生きなきゃ、どうするんだ!」
という焦燥すら感じるほどの熱烈な歌詞が紡がれます。
そして、まぁ私事なんですが、私にとってめちゃくちゃに辛かった2年間を救ってくれたのがまさに彼の音楽で、彼の音楽があるから今があるような状態でした。
2016年に唯一の日本公演にも行き、引退後も昨年リリースされたアルバムは泣きながら聞きました。
まだ彼の音楽が聞けるという拠り所は、何よりも得難いものでした。
そんな彼がこの世から居なくなったと知り、次に思ったのは「どうしよう」です。
とんでもなく薄情だなぁ、とか、身勝手だなぁと思いつつも、彼の音楽を大音量で聞きながら(TPOは弁えて)おぼつかない2日間を過ごして、来る22日に大阪ステーションシティシネマにたどり着きました。
この時点で、まぁTwitterのTLからは驚くほど人がいなくなっていて、ひたすらに「うわぁ、月詠こわい…こんな精神状態で見れるのかよ~~」と裸足で逃げ出したい心地でした。
何しろ、「絶望をお届け」されるわけですから。
それでまぁ、席について、観始めました。その内容については、今回は特に書きません。
みなさんがご覧になった月詠を同じく私も観て、とんでもない絶望を共有しました。
カッコいいシーンや、笑えるシーン、そしてやっぱり泣いてしまうシーン。
うわぁ、これがメサイアかぁ、と改めて思いました。
そしていざ、クライマックスで例のシーンに差し掛かって、御池の絶叫というか、もはや慟哭ですよね。小説なんかの中でしかみたことのなかった、まさに想像上の「慟哭」を観た気がします。
彼の「いやだいやだいやだ」という台詞は、吐き出されるたびに頭を殴られる思いでした。まるで、そんなわけがないのに、私のせいで小太郎が居なくなってしまうような、そんな打ち付けるような否定や拒絶がビリビリと伝わってきました。
そんで泣きながら、ふと、思い浮かんだのは悠久の加々美の台詞で「人が死ぬって、大変なことなんだよ」っていう、それだけでした。
最終的に、御池は柚木の臓器を受け入れて、これから一人で生きていくわけですが、その心境を思うとあまりにも複雑です。
カタルシスとはよく言ったもので、号泣の末に観終わった月詠乃刻は、とんでもない疲労感と絶望と、それだけでなくほんの少しの透明感をもった、どこかすっきりとした気持ちもきちんと与えてくれました。
それはきっと、光と花吹雪の中で立つ柚木小太郎の笑みをしっかりと見届けられたからでしょう。そこはライブビューイングでよかったなと思いました。(多分劇場だと、ちゃんと観られない表情だったと思います)
そして、上映が終わり、泣きはらした状態で席を立って劇場を出て、レストランフロアを抜けてエスカレーターを降りながら、私はやっぱりAviciiを聞いていました。
というのも、エスカレーターを降りた先にあるLOFTが目に入った途端、あんまりにも日常で、思わず泣けてきたからです。いやほんと、まじでびびったんですが、ほんとに泣けてきたのでしょうがない…。TLの皆さんが、「気をつけて帰ろう」を標語にしていた理由もよくわかりました。
そんでまぁ慌ててサングラスをして、同じフロアのスタバに駆け込んで、落ち着くまで大音量でAviciiを聞いていました。
曲は正直何でも良かったんです。Aviciiなら何でも。
辛い時にはとりあえず彼の音楽が聞ければいいし、この時はまさにそれを体現した形でした。
そして、聞きながらiPhoneのプレイリストを眺めて、彼の音楽がまだちゃんと残っていることに気付きました。その時になってやっと、「あーー彼の音楽に出会っててよかったなぁ!!!」と心から思いました。
これからも彼の音楽はずっと私のプレイリストに残っているし、辛い時には彼の音楽が聞けるし、そうすればある程度は立ち直れる自分をよくよく知っています。
彼は驚くほどあっという間に過ぎ去ってしまったけれど、彼の生み出したものはしっかりと残り続けるのだと、やっと理解に納得が追いつきました。
同時に、御池にとっての柚木小太郎という男も、そうであればいいなぁとも思いました。
臓器は、早くて2ヶ月、新陳代謝の速度によっては遅くて1年で細胞が完全に入れ替わってしまうそうです。
奈落の技術を考えると、きっと半年ぐらいで柚木の臓器は御池のものになってしまうんじゃないかなぁとも思います。だから、御池がその血肉や細胞を拠り所にするにはあまりに短い期間だろうと思います。でも魂が、との言及があったとおり、柚木はずっと御池に寄り添い続けるのだろうし、御池がそれを受け入れ続ければ、彼らは共にあることができるのだろうと、希望を思ってしまいます。
ほんと、そうだったらいいなぁ、っていう話でしかないんですが。
そして、メサイアって本当に怖いと再認識したのは、まさにこの経験に依るものでした。
「自分のメサイアが死ぬ」なんて、きっとこの世の誰も経験することもないし、実感することなんて無いと思います。まさに非日常で、フィクションです。サクラコートなんで絶対見ること無いし、大立ち回りだってそう。圧倒的に「作り物」なのに、それでもメサイアを観劇し終わると、人一人がこんな有様になるんです。
「誰かを失う」こととか、「何かを奪われる」とか、少なくとも誰しもが経験していることを、ステージの上とか、画面の向こうとか、絶対的に距離があるにもかかわらず、胸倉掴んで思い出させて、感情移入せざるを得なくなるんですよね。
でもやっぱり、最後には、少しの救いがあって、観終わってから「受け入れる」態勢もきちんと用意してくれている。
なんて作品なんだろう、メサイア。
改めて思って、また一段と魅力に引き込まれました。
二度目の観劇は大阪公演27日になるのですが、2回目、3回目と、どんな心境になるのか今から怖いような楽しみなような気持ちです。
少しでもしっかりと、彼らの生き様を目に焼き付けることができればと思います。
最後に。
貴方の音楽はこれからも私の救いです。ありがとう。R.I.P
Avicii - Wake Me Up (Official Video)